欧米では赤身肉のほうが好まれる傾向にありますが、日本では「豚肉は脂身がおいしい」とよく言われます。日本人が脂身を好む理由は、しゃぶしゃぶや焼肉をはじめ、薄切り肉を使う料理が豊富にあるから。薄切り肉では脂身の多いほうが縮まりにくく、また「香りや旨味を感じやすい」と言われています。スーパー店頭の棚を見ても、薄切り肉の扱い点数が多いことに気づくはずです。
ですが、そうした先入観は捨てて、豚肉のさまざまな部位を味わってみてください。脂身の少ない部位にもそれぞれ特徴があり、調理の仕方を工夫することによっておいしさがグンとアップし、食卓がより楽しくなります。
肩
よく運動する部位で歯応えがある。赤身の味わいは深く、シチュー、カレーなど煮込み料理に最適。
肩ロース
赤身に脂肪が網目状に混ざり、コクのある味わい。ブロックのままローストしたり、スライスしてしょうが焼きなどに。
ロース
赤身を厚い脂が包み、筋がなく柔らかい部位。トンカツやソテーなどに最も多く使われる。
ヒレ
脂肪は、ほとんどない赤身。肉質は柔らかくなめらか。トンカツの高級部位として、ソテーにも。
モモ
きめ細かく柔らかい筋肉質の赤身で、脂肪が少ない。モモはさらにウチモモ、ソトモモ、その他(ランプ、シンタマ)に分けられる。ハムの他、焼く、煮る、揚げる、さまざまな豚肉料理に万能。
バラ
赤身と脂肪が層を成しており、三枚肉とも呼ばれる。角煮やベーコンに。骨付きはスペアリブに。
スネ(前足はウデ)
よく動かす部位で筋が多く歯応えがあるが、濃厚な旨味がある。煮込み料理に。
豚肉というと、ロース、ヒレ、バラなどがまず浮かびますが、モモ肉は赤身の旨みが味わえキメも細かく、コストパフォーマンスの高い部位です。ブロックで買えば、さらにいいことがいっぱい付いてきます。