いきなりですが、あなたは「すき焼き」、お好きですか?
甘辛く味付けした肉と野菜、豆腐やしらたきなどはまさに、御飯もお酒もすすむ、日本人にとってポピュラーな料理のひとつ。地方によっては、大晦日や元旦に食べる風習もあるそうですが、今も昔も食卓をにぎわせてくれるごちそうの代表格といえます。
そんな、日本人なら誰でも馴染みのある「すき焼き」ですが、料理屋さんや旅先の旅館などで「あれ? うちのと違う!」と、その調理法の違いに驚いたことは、ありませんか?
すき焼き誕生の地といわれる関西を中心に、専門店などでは、まず鉄鍋に牛脂をひいて牛肉を焼き、砂糖としょう油で味付けしたら、肉だけを先に味わうスタイルが一般的です。そして肉を焼き終えてから、肉汁のしみ出た鍋に野菜や豆腐などを投入します。
一方関東では開港当時の横浜で流行った「牛鍋」が原点になったせいか、だし汁、しょう油・砂糖・みりん・酒を調合した割り下で肉、野菜、豆腐等を一緒に煮るスタイルが主流です。
どちらも、おいしいのですが、「肉本来の旨みを味わう」という点においては、前者の「焼く」ほうに軍配が上がるのでは、と個人的には思います。
前置きが長くなりましたが、おいしく料理し食べるためには、五感だけでなく知識も必要……というわけで、今回のお題は、肉を最もシンプルに焼く「厚切り豚肉のステーキ」について。
これまでの概念を覆す新常識「お肉をおいしく焼くコツ」をお教えします!