フリーデン・ストーリー vol.2 ~加工部門創設時のエピソード~ エピソード3
フリーデンにハム・ソーセージなど加工品の部門が誕生してからおよそ40年。Vol.1では、加工部門創設からの歴史を紹介しましたが、今回は当時の失敗談や苦労話などのエピソードを3回シリーズでご紹介します。 話を聞いたのは、vol.1に続き藤原正史。1976年に入社後一貫して加工部門に従事し、伊勢原工場2代目工場長を務めた生粋のフリーデンマンです。
藤原正史
伊勢原工場2代目工場長
藤原:
秋冬限定の商品に「ポトフウインナー」というウインナーがあるのですが、これは母親がつくってくれた肉料理からヒントを得ています。他の商品も同じように、母の影響を受けています。私は、商品開発の際に「お袋の味」を大切にしてやってきたのです。
子供の頃、実家の長崎で山羊や羊を飼っていて、当時は肉屋で肉を買うことはほとんどなかった。お産に失敗した山羊などを、お肉屋さんを呼んで屠畜してもらっていました。冷蔵庫のない時代、一頭つぶした肉を保存するためにはマリネードするしかありません。たっぷりの酒と醤油、タマネギに浸けた後、タマネギの形がなくなるまでとろとろと煮込むと、タマネギがソースとなって肉の最高の味わいが楽しめるのです。その味が私の味覚のベースになっています。
その味を生かして醤油ベースで仕上げたのが、「ポトフウインナー」。ポトフなんて洋風な名前を付けましたが、実際は日本の鍋に合うウインナーなんですよ。だからでしょうか、知り合いのハンガリー人が来日したときに食べさせたら、「これは邪道だ」って言われました(笑)。邪道なのかな~?私としては、本場に恥じないウインナーだと自負しているんですけど(笑)。
このように、私が開発したものは本場仕込みの技術や製法をきっちりと生かしつつ、自分が慣れ親しんだ「日本のお袋の味」がベースとなっています。 小さいときに刷り込まれた味が原点ということです。今の若い後輩たちとは原点の味が少し違うかもしれませんが、みんな自分の味を大切に商品をつくっていると思います。
現在のようにグローバル化が進み、世界が小さくなっても、食事は各国各地域ごとに特色があり好みがあってそれぞれ大切にされています。フリーデンのハム・ソーセージは本格的でありながらも、日本人の味覚に寄り添うものでありたい。そう考えています。だから、 「ポトフウインナー」はあれがいいんです!