朝の食卓やお弁当、あるいはお酒のおつまみに、世代を問わず人気の高いソーセージ。その語源は「塩漬け」を意味するラテン語の「salsus(サルサス)といわれ、大航海時代、ヨーロッパに香辛料が多数運ばれるようになって、よりおいしく、保存性も高くなったと伝えられています。
ソーセージに関して数百年の歴史をもつというドイツを中心とした欧州に学ぶため、私もかなり頻繁にドイツと周辺地域を訪れましたが、国や地方によって味とスタイルが異なり、その種類の多さに驚かされます。
一方、日本においては、明治時代に横浜にドイツ人が開店したドイツ製法のハム・ソーセージ店が最初であるとか、諸説ありますが、一般的な家庭の食卓に並ぶようになったのは意外と新しく、昭和30年以降のことです。それから現在まで、日本ではさまざまなソーセージが製造され、輸入品も含めてスーパーや専門店のショーケースには食シーンに合わせて実に多くのソーセージが並ぶようになりました。
私たちのように本格的なソーセージを製造している者からしますと、その数1700種類ともいわれるドイツほどではないにせよ、多くの種類に分類できるのですが、国の規格では、大きく以下のように分類されています。
ウインナーソーセージ
太さ20mm未満で羊腸を使用したもの(オーストリア・ウイーンに由来)
フランクフルトソーセージ
太さ20mm以上36mm未満で豚腸を使用したもの(ドイツ・フランクフルトに由来)
ボロニアソーセージ
太さ36mm以上で牛腸を使用したもの(イタリア・ボローニャに由来)
セミドライソーセージ
水分量55%以下のもの。当社のセミドライソーセージ シリーズやソフトサラミはこれに当ります。
ドライソーセージ
水分量35%以下のもの。イタリアのサラミなどはこのタイプです。
ソーセージとは、豚肉、鶏肉、牛肉などのひき肉を塩や香辛料で調味して豚や羊の腸に充填したものを、煮たり燻したりして加熱した食肉加工品のひとつ。ソーセージのプリッとした張りのある食感や風味を生み出すのは、良質なタンパク質が主成分である天然腸によるところが大きいといえます。
一般的にフランクフルトなどの太くて大きなソーセージを好む欧米では豚腸が、ウインナーなど細めのソーセージを好む日本では、羊腸が主流となっており、ウインナーに使用される羊腸の輸入量世界一はなんと、日本なのです。
日本における天然ケーシング輸入実績(平成30年4月・財務省貿易統計)
羊腸 846,987ハンク(1ハンク=100ヤード/91.5m)
豚腸 4,800ハンク
※ 出典http://www.jnsca.or.jp/(日本羊腸輸入組合)
日本における食肉加工品生産数量(平成30年2月)
ウインナーソーセージ 18,824.8トン
フランフクフルトソーセージ 2,353.1トン
※出典 http://hamukumi.lin.gr.jp/stat.html(日本ハムソーセージ工業共同組合)
日本のソーセージ類は、「食品衛生法」と「JAS法」で食肉製品と呼ばれ保存状態が厳しく決められています。意外と思われる方も多いと思いますが、一括表示に「加熱食肉製品」と表示されている商品はそのまま食べることができるんです。加熱調理せずそのまま食べられる状態で消費期限をつけています。
ボイルする
鍋に水を入れて熱し、沸騰したら火を止め、そこにウインナーを入れます(湯の温度を下げないためにウインナーはできるだけ常温に戻すことをお奨めします)。5分ほどおいてゆっくりと中まで温める方法がベスト。沸騰した湯にウインナーを入れ、さらに加熱すると皮が破れ旨味が逃げてしまいます。
焼く
表面を焼いたウインナーやフランクの風味は格別ですね。弱火から中火でじっくり時間をかけて焼くことで、焦げ目をつけずに香ばしく焼き上げることができます。油は使わず弱火で表面を焼き上げ、やまと豚ならではの肉の旨味を味わってください。
煮込む
ポトフをはじめ煮込み料理にもよく合います。切れ目を入れたり長時間煮込んだりするとおいしさが逃げてしまいますので、野菜などの具材を十分煮込んで火が通ったら、最後に加えてください。